リサイクル材料を用いたアスファルト舗装材料開発
1.道路舗装
・コンクリート舗装
高い耐久性と、路面が白く明度が高いため、路面温度の低減ご見込まれる。しかし、硬化するまでの間に交通規制を要し、施工に時間もかかる。
・アスファルト舗装
耐久性に劣るが、施工後すぐに開放できる。
アスファルト舗装を本復旧したときの寿命は10年程度。プレート転圧程度の仮復旧の寿命は3〜6ヶ月程度。
2.常温合材の材料
常温合材は粗骨材、細骨材、フィラーとバインダとでできている。
3.リサイクル材料
加熱合材に使用されるリサイクル材料として、アスファルト塊、焼却灰溶融スラグ、下水汚泥焼却灰溶融スラグ、ガラス、廃タイヤなどがある。
1️⃣アスファルト再生骨材
撤去したアスファルトを破砕し、分級し、粒度を調整した材料。安価で材料調達のための運搬コストとCO2排出量が削減できる。
2️⃣エコスラグ
一般廃棄物の焼却灰を1200℃以上の高温下で有機物を燃焼させ、無機物を溶融した後に冷却してガラス質や砂状になったもの。
自治体から安く調達できる。
3️⃣フライアッシュ
4️⃣再生植物油
飲食店や企業で発生する廃油を精製してバイオディーゼル燃料として使用する。
3.リサイクル材料の常温合材への適応
1️⃣アスファルト再生骨材
骨材比率70%以下で使用可能。一般的な常温合材と同等の強度。旧アスファルトを含むため、バインダ添加量を低減可能。
2️⃣エコスラグ
安定度が低い。ガラス質のためバインダを吸収しないことからバインダ量を低減できる。
3️⃣フライアッシュ
合材が団粒化して作業性が著しく低下するため、利用しにくい。
4️⃣再生植物油
鉱物油の代わりに使用しても、強度や作業性に問題はない。
80%リサイクル材料を使用して、CO2を20%削減することが可能となる。
【感想】
重油の高騰により、アスファルト合材の値段が上がっているため、今後も更なるリサイクル資材の活用が重要だと思う。
アスファルトは将来にわたって無くなることがなさそうな材料であるため、アスファルト塊を100%再生できるような技術開発に期待する。
月刊技術士 2022.5月号より